『SLAM DUNK』には、タイプの違うセンターが何人も登場する。
湘北の赤木剛憲。
陵南の魚住純。
翔陽の花形透。
海南の高砂一馬。
その中でも高砂は少し特殊だ。
赤木のような圧倒的なパワーを前面に出すタイプではない。高砂は191cm・80kgのセンターとして紹介され、赤木は197cm・93kg。体格では赤木が上回る一方、高砂は技巧を武器にするタイプとして描かれている。
では、もしAIに、
「高砂一馬と赤木剛憲を同じ条件で100試合対戦させてください」
と頼んだら、高砂は何勝できるだろうか。
今回は単純な1対1ではなく、それぞれが所属チームのセンターとしてフルゲームを戦う仮想シミュレーションとして考えてみたい。
※本記事は『SLAM DUNK』を題材にした非公式のAI考察・仮想シミュレーションです。作中に「100回対戦」の公式データはなく、以下の勝率・数値は記事用に設定した仮説です。
結論から言うと「高砂34勝、赤木66勝」
今回の仮想AIシミュレーションでは、
高砂一馬:34勝
赤木剛憲:66勝
と予想する。
つまり赤木が約3分の2を取る。
ただし、
「赤木が高砂を圧倒して100勝する」
という結果にはしない。
なぜなら高砂は、個人能力だけで評価すると本来の強さを見失いやすい選手だからだ。
高砂には相手の強さを認めたうえで、自分の役割を遂行する能力がある。
この能力が100試合という長期戦では効いてくる。
フィジカルなら赤木が明確に有利
まず身体能力を比較する。
赤木197cm・93kg。
高砂191cm・80kg。
身長差6cm。
体重差13kg。
センター同士のゴール下では、この差は無視できない。
赤木がローポストで押し込む。
高砂が正面から受ける。
この形なら赤木が有利だろう。
リバウンドでも同じだ。
同じ位置。
同じタイミング。
同じジャンプ力。
この条件ならサイズのある赤木がボールへ届きやすい。
AIが100試合を計算するなら、まずここで赤木側に大きく点を付ける。
実際の湘北戦でも赤木は得点している
二人の比較で重要なのが海南対湘北だ。
この試合について、高砂は6得点、赤木は33得点だったとする資料がある。赤木は途中で足を痛めながらも大きな存在感を示した。
この数字だけを見るなら、
「勝負にならないのでは?」
と思うかもしれない。
確かに純粋な得点力では赤木を上に置くべきだろう。
しかしバスケットボールでは、
相手センターより得点した選手が勝ち
ではない。
実際に重要なのはチームの最終得点だ。
高砂の仕事は赤木と30点ずつ取り合うことではない。
牧や神など、他の得点源が存在するチームの中で自分の仕事をすることになる。
ここがAIシミュレーションで面白い部分だ。
高砂最大の武器は「巧さ」
高砂は、赤木や魚住のような大型センターに対して、サイズだけで勝負する選手ではない。
技巧で補うタイプとして紹介されている。陵南戦では魚住をファウルトラブルへ追い込んだことも、高砂の特徴を考える材料になる。
そこでAI版高砂には、
正面から赤木と戦わない
という戦術を取らせる。
赤木がゴール下に入る前にポジションをずらす。
簡単にボールを持たせない。
スクリーンを使って赤木を動かす。
リバウンドではボールより先に身体を当てる。
さらに赤木を守備で走らせる。
一回の勝負なら目立たない。
しかし40分間続ければ、少しずつ効いてくる。
高砂が狙うべきは赤木の得点ではない
AIが高砂へ一つだけ指示するとしたら、
「赤木を0点にしようとするな」
になる。
赤木クラスのセンターを完全に止めようとすると、逆に無理が出る。
ファウルが増える。
ヘルプが必要になる。
他の選手が空く。
だから目標を変える。
例えば赤木が通常なら25点取る試合で20点にする。
リバウンドを12本取るなら9本にする。
シュートを2本難しくする。
オフェンスリバウンドを2本減らす。
数字としては小さい。
しかし一試合では、この数本が勝敗を変える。
高砂は「完全に止める」のではなく「少しずつ削る」ほうが強い。
100試合なら高砂も学習する
今回のテーマで重要なのは「100回」だ。
1試合目。
高砂は赤木のパワーに苦戦する。
10試合目。
赤木がどこでボールを欲しがるのか分かってくる。
30試合目。
得意なターンやシュートのタイミングを覚える。
50試合目。
ボールが入る前の段階から守る。
100試合目。
赤木本人ではなく、赤木へパスを出す選手まで含めて守る。
こうなると勝率は少しずつ変わる。
もちろん赤木も高砂を研究する。
だから最終的に高砂が逆転するほどではない。
しかし、
最初の20試合では5勝。
次の20試合では6勝。
中盤では7勝。
後半では8勝。
最後の20試合では8勝。
合計34勝。
こんな成長曲線を仮定できる。
1対1だけなら高砂はもっと負ける
ここで条件を変更してみる。
チーム戦ではない。
ハーフコートで赤木と高砂が純粋な1対1を100回行う。
この条件なら高砂の勝率はかなり落ちると予想する。
仮に、
赤木82勝、高砂18勝。
それくらい差が出ても不思議ではない。
1対1では高砂最大の長所である、
スクリーン。
味方との連携。
相手を動かす。
チーム全体で弱点を補う。
といった要素が消えてしまうからだ。
反対に赤木は、サイズとパワーを直接ぶつけやすくなる。
だから高砂という選手を1対1だけで評価すると、実際より弱く見えてしまう。
高砂が34勝できる理由は海南にある
高砂の勝率を押し上げる最大の要因は、やはり海南というチームだ。
高砂が赤木を一人で倒す必要はない。
赤木が高砂を攻めれば、その間に別の場所で海南が優位を作ればいい。
高砂がスクリーンをかける。
味方が攻める。
赤木がヘルプへ動く。
その瞬間、高砂が空く。
こうした連続した選択がある。
バスケットボールでは、
自分が得点しなくても、味方が得点しやすい状況を作れば価値がある。
高砂はまさに、この考え方と相性がいい。
リバウンド勝負ではどうなる?
センター比較ならリバウンドも重要だ。
ここでも基本的には赤木有利とする。
赤木はサイズがある。
パワーもある。
ゴール下での存在感も大きい。
ただし高砂にもボックスアウトがある。
ボールを直接取れなくても、赤木をゴールから遠ざければいい。
高砂が赤木を押さえる。
別の海南選手がリバウンドを取る。
記録上、高砂のリバウンドは増えない。
しかしチームとしては成功だ。
スタッツに出ないリバウンドへの貢献。
これをAIが評価すると、高砂の点数はかなり上がる。
赤木66勝でも「圧勝」とは言い切れない
66勝対34勝。
数字だけなら赤木が明確に上だ。
100回やって66回勝つなら、実力差があると言っていい。
しかし高砂も3回に1回程度は勝っている。
これは、
「赤木より弱いから高砂は大したことがない」
という結果ではない。
むしろ逆だ。
サイズと個人能力で上回るセンターに対して、自分の長所を使って34回勝つ。
ここに高砂の価値がある。
強い選手とは、必ずしも相手よりすべての能力が高い選手ではない。
自分が勝てる場所へ勝負を持っていける選手も強い。
AIが高砂を強化するなら?
さらにAIコーチを導入して、高砂を一年間鍛えるとする。
何を伸ばすべきだろう。
身長は簡単には変えられない。
だから別の部分を強化する。
下半身。
ポジショニング。
ボックスアウト。
ミドルシュート。
スクリーン。
パス。
ファウルを誘う技術。
特にミドルシュートが安定すれば面白い。
赤木をゴール下から引き出せるからだ。
赤木が出てくればインサイドが空く。
出なければ高砂が打つ。
この二択を作れるだけでも、海南の攻撃は変わる。
AI強化版なら、
高砂42勝、赤木58勝
くらいまで接近する可能性を仮定しても面白い。
それでも赤木有利。
しかし「ほぼ一方的」ではなくなる。
高砂は赤木にならなくていい
今回のシミュレーションで一番重要なのはここだ。
高砂を強くするために、
「赤木のような選手にしよう」
と考える必要はない。
赤木には赤木の強さがある。
高砂には高砂の強さがある。
パワーで負けるなら技術。
高さで負けるなら位置取り。
得点力で負けるならスクリーン。
リバウンド数で負けるならボックスアウト。
相手と同じ能力で勝とうとしない。
これは高砂というキャラクターに非常に合った戦い方だ。
まとめ|AI予想は高砂34勝、赤木66勝
今回の仮想シミュレーションでは、
高砂一馬34勝、赤木剛憲66勝。
個人能力、とくにサイズ・パワー・ゴール下の得点力では赤木を上に評価した。
一方、高砂には技巧、状況判断、チームへの適応という武器がある。作中でも高砂は派手なスターとしてではなく、強豪・海南のセンターとして重要な仕事をする選手として描かれている。
そしてバスケットボールは1対1の能力だけで決まらない。
自分より強い相手に対して、
何を捨てるのか。
どこを守るのか。
どこなら勝てるのか。
味方をどう生かすのか。
そこまで含めて勝負になる。
だから100回戦えば赤木が勝ち越す。
それでも高砂は34回勝つ。
赤木を超える必要はない。赤木が嫌がるセンターになればいい。
それがAIで100試合を考えたときに見えてくる、高砂一馬らしい勝ち方なのかもしれない。


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