バスケットボール選手を成長させようとすると、どうしても「あれもこれも」と考えたくなります。
シュートを伸ばす。
リバウンドを強くする。
筋力をつける。
走力を上げる。
ポストプレーを覚える。
守備を改善する。
パスもうまくする。
しかし、もし使える時間が3か月しかないとしたらどうでしょうか。
さらに条件を厳しくして、
「一つの能力しか重点的に練習できない」
とします。
今回考えるのは豊玉の岩田三秋です。
岩田を短期間でチームにとってより価値の高いセンターへ変えるなら、AIは何を一つだけ選ぶのか。
私はこの条件なら、派手な得点能力ではなく、
リバウンドのためのポジショニングとボックスアウト
を最優先にする案が面白いと思います。
単純に「ジャンプ力を上げる」という話ではありません。
相手より先に良い場所を取り、相手をゴールから遠ざけ、ボールを確保したら素早く次の攻撃へつなげる。
この一連の能力を3か月で集中的に改善するという考え方です。
なぜシュートではないのか
センターを強化するなら、まず得点力を伸ばしたくなります。
ゴール下のシュート。
フックシュート。
ミドルシュート。
ポストプレー。
これらが増えれば攻撃の選択肢は広がります。
しかし3か月という条件を考えると、本当に最優先でしょうか。
岩田が新しい得点パターンを覚えても、チームには他にも得点を担える選手がいます。
だったら岩田まで得点役にするより、
すでにあるチームの攻撃力を支える能力
を伸ばしたほうが、短期間では効果が出やすいかもしれません。
AIに考えさせるなら、「本人が何点取れるようになるか」ではなく、「岩田の改善によってチーム全体が何点得をするか」で比較したいところです。
なぜ筋力だけでもないのか
インサイドの選手なら筋力も重要です。
身体が強くなれば、相手センターとの接触にも耐えやすくなります。
しかし筋力だけ上げても、立つ場所が悪ければリバウンドは取れません。
相手の動きを見ていなければ、先に場所へ入られます。
ジャンプするタイミングが悪ければ、高く跳べてもボールに届きません。
つまり、
身体能力とリバウンド能力は同じではない
ということです。
3か月しかないなら、筋力を上げてから技術を覚えるより、今ある身体をどう使うかを先に改善するほうが即効性を期待できます。
AIなら「一つの能力が何回使われるか」を見る
一つしか能力を伸ばせないなら、その能力を試合中に何回使えるかも重要です。
例えば特別なポスト技術を身につけても、一試合に数回しか使わないかもしれません。
しかしリバウンドに関係する判断は、シュートが打たれるたびに発生します。
味方がシュートを打つ。
相手がシュートを打つ。
そのたびに、
誰を押さえるのか。
どこへ移動するのか。
ボールはどこへ落ちそうか。
自分が取りに行くのか。
味方に取らせるため相手を止めるのか。
という判断ができます。
使用回数の多い能力なら、小さな改善でも試合全体への影響が大きくなる可能性があります。
「リバウンドを取る」だけではない
ここで重要なのは、単純に岩田本人のリバウンド本数を増やすことだけを目標にしないことです。
例えば岩田が相手センターをしっかりボックスアウトする。
ボールは別の味方が取った。
記録上、岩田にリバウンドはつきません。
しかしチームとしては成功です。
逆に岩田が自分でリバウンドを取りたいあまり、相手を押さえずボールへ飛びつく。
取れれば数字は増えます。
しかし取れなければ、相手にオフェンスリバウンドを許す危険があります。
AIなら、
個人のリバウンド数ではなく、チームが最終的にボールを確保できたか
まで評価したほうが合理的でしょう。
3か月の第1段階|まず相手を見る
最初の1か月は、ジャンプする練習より先に、
「シュートが打たれた瞬間に自分の相手を確認する」
ことを徹底します。
ボールばかり見ない。
相手センターがどこにいるのかを見る。
先に身体を当てる。
ゴールへ入らせない。
その後でボールを見る。
この順番を身体に覚えさせます。
派手ではありません。
しかし短期間で改善するなら、こういう基本動作を自動化することに価値があります。
考えてから動いている状態から、自然に動ける状態へ変えるわけです。
第2段階|シュート位置から落下地点を考える
2か月目には、もう少し判断を加えます。
すべてのシュートが同じ場所へ落ちるわけではありません。
シュートがどこから打たれたのか。
どんな角度だったのか。
長いシュートなのか。
ゴール近くからなのか。
こうした情報を見ながら、リバウンド争いの位置を調整します。
ここでAIを使うなら、映像や仮想的なプレーを大量に分類し、
「この位置からシュートされた場合、岩田は最初にどこへ動くべきか」
という判断問題を繰り返す方法が考えられます。
実際に身体を動かす練習と、判断練習を組み合わせるイメージです。
第3段階|リバウンドから速攻までを一つにする
3か月目になったら、リバウンドを取ったところで練習を終わらせません。
ここが豊玉を考えるうえで重要です。
ボールを確保した。
周囲を見る。
ガードを確認する。
素早くパスを出す。
そして次のプレーへ移る。
この流れまでを一つの動作として練習します。
岩田がリバウンドを取ってから何秒もボールを持っていたら、速攻のチャンスが減ります。
だから、
リバウンド能力の向上を、そのまま豊玉の攻撃速度向上へ接続する
わけです。
これなら岩田一人の能力改善が、南や岸本ら周囲の攻撃にもつながります。
3か月後に何を測る?
AIを使った育成なら、「なんとなく良くなった」で終わらせたくありません。
例えば、
ボックスアウト成功率。
相手に取られたオフェンスリバウンド。
チームのディフェンスリバウンド獲得率。
リバウンド確保から最初のパスまでの時間。
リバウンド後に速攻へ移行できた回数。
こうした項目を練習前と3か月後で比較します。
面白いのは、岩田本人のリバウンド数が大幅に増えなくても成功と評価できることです。
相手のオフェンスリバウンドが減り、味方がボールを取れるようになり、速攻が増えた。
それなら岩田の仕事は十分に改善しています。
もし成果が出なかったら?
3か月集中しても改善しない可能性はあります。
その場合は、
「もっと半年続ける」
と自動的に決めないほうがいいでしょう。
ここでもAI的な判断が使えます。
改善幅が小さい。
試合への影響も小さい。
別の能力のほうが伸びる可能性が高い。
そう判断したら、次の3か月は違う能力へ移ります。
例えばスクリーン。
アウトレットパス。
守備ポジショニング。
一つの能力へ集中することと、一つの能力へ永遠に固執することは違います。
「全部少しずつ」が最善とは限らない
高校生の限られた時間を考えると、全部を同時に伸ばそうとすると、どれも中途半端になる可能性があります。
シュート20分。
筋トレ20分。
リバウンド20分。
パス20分。
ポストプレー20分。
もちろん総合練習にも意味はあります。
しかし今回の条件は「3か月で一つ」です。
だったら、
一点集中したら選手がどこまで変わるのか
を試してみたいです。
特に岩田のようなセンターなら、無理に万能型を目指さなくてもいい。
チームが必要としている仕事を一つ、明確に強くする。
それだけでも起用価値は変わる可能性があります。
岩田をスターにする必要はない
このテーマで私が面白いと思うのは、最終目標が「岩田をエースにする」ではないことです。
毎試合20点取る必要はない。
派手なダンクを連発する必要もない。
相手センターを圧倒する必要もない。
相手をボックスアウトする。
味方にリバウンドを取らせる。
自分が取ったら素早くパスする。
そして豊玉が走り始める。
これだけでもチームにとって重要な選手になれます。
選手の価値は、得点だけでは決まりません。
AIで選手育成を考えるなら、ここはかなり重要な視点だと思います。
まとめ|3か月なら「リバウンドの場所取り」を選ぶ
岩田三秋を3か月だけ育成できる。
しかも一つしか重点的に練習できない。
この条件なら、私はAI案として、
リバウンドのポジショニング+ボックスアウト
を選びます。
1か月目は、相手を先に確認して身体を当てる。
2か月目は、シュート位置から落下地点を予測する。
3か月目は、リバウンドから素早いアウトレットパスまでを一連の動作にする。
こうすれば単純なリバウンド強化ではありません。
守備を終わらせる。
相手の二次攻撃を減らす。
ボールを確保する。
そして速攻を始める。
守備と攻撃をつなぐ3か月間になります。
短期間の育成では、弱点を全部直そうとしない。
最も試合への波及効果が大きそうな一つを選ぶ。
そこへ時間を集中する。
そして3か月後に数字と試合内容を見て、続けるか別の能力へ移るか判断する。
岩田三秋×AIで考えるなら、これは単なる練習メニューではありません。
限られた時間をどこへ投資すればチーム全体が最も強くなるのか。
その判断そのものが、AIを使って選手育成を考える面白さだと思います。


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